五島うどんの製造工程
五島うどんの「手延べ」製法は、親から子へと伝承されてきました。五島うどんの旨さの秘密は、この「手延べ」製法にあります。
五島では早朝からうどん造りが始まり、いくつもの工程にわかれている作業を家族や社員の力を合わせて造っていきます。丹念な作業の為、その生産量の少なさから“幻のうどん”とも言われ重宝されてきました。
現在では、一部は機械化はしたものの、棒状にした生地を2本の箸にかけ、手で引き伸ばしては束ねる作業を繰り返しながら熟成させ、紐状に細くし乾燥させ麺を形成していく手法、いわゆる手作業である「手延べ」の技を伝承しつづけています。
麺匠たちの微妙な力加減で手伸ばしされているので、コシが強く、切れにくく、ぷるんと滑らかな食感を作り出しています。ぜひご賞味ください。
▼五島手延べうどん製造工程(資料:五島手延うどんができるまで・五島手延うどん協同組合)▼
「五島うどん」「五島手延うどん」は五島手延うどん協同組合の「地域団体商標」です。 登録第5079155号 登録5079156号
1.練り上げ
1・練り上げ
厳選した小麦粉を、島のミネラル豊富な水と五島灘の自然塩で練り上げます。塩分の濃度は、その日の温度と湿度に応じて微妙に変えます。麺職人の経験と勘が物を言います。
2.足踏み
2・足踏み
栴檀〈せんだん〉の木の台などの上に、練り上げた小麦粉を移し、500回ほど、丹念に足で踏みならします。足踏みをすることで、麺自体に「コシ」が生まれます。
3.切り廻し
3・切り廻し
大きな円盤状になった生地の外側から、渦を巻くように包丁できります。棒状になった生地は、大きな桶の中に渦巻き状に廻しながら重ねていきます。ここで、五島特産の「椿油」を乾き、くっつき止めとして使用します。
4.細目(ほそめ)作業
4・細目(ほそめ)作業
渦巻き状に廻す時、1段廻したら表面に椿油を塗り、また1段廻して油を塗る、作業を数段重ね合わせていきます。太い綱のようになった生地の直径は約40mm。これを「大巻」といいます。
5.こなし(均し)作業
5・こなし(均し)作業
麺を直径10mmになるまで、手で細くしながら切り廻しの作業を続けます。この過程でも椿油を塗って生地同士が付着するのを防ぎます。生地はこのまま寝かせます。
6.カケバ(掛巻)作業
6・カケバ(掛巻)作業
ひも状になった生地を、2本の竹管に、ヨリをかけながら8の字にかけていきます。うどんの太さが均一になるよう、引っぱり気味にかけます。室(ムロ)箱の中で再び、じっくり寝かせて生地が熟成するのを待ちます。
7.こびき(小引き)作業
7・こびき(小引き)作業
室箱から取り出した麺紐を熟成の進み具合や天候を見ながらおよそ500mm前後引き延ばします。
8.ハタかけ作業
8・ハタかけ作業
適度に熟成された麺線を引き伸ばしながらハシで分け、密着しないようにしてハタ付けを行い、麺一本一本に愛情を込めて箸を入れます。
9.乾燥作業
9・乾燥作業
温度や湿度に応じて、扇風機や除湿機、温風機、換気扇などを使って、じっくり時間をかけて、麺一本一本に愛情を込めて箸を入れながら乾燥させます。
10.こわり作業
10・こわり作業
麺水分比を10%前後に乾燥させた麺を「ハタ」からはずして、製品サイズに切断します。昔は畑や田で農作業をしながらのうどんづくりは、手間と時間のかかる仕事でした。この手間隙かかる作業が営々と受け継がれています。
11.選別・目視選別
11・選別・目視選別作業
選別作業は人の目で熟練の技が光ります。麺線の不揃い、曲がりの分を取り除いたりの選別をします。異物混入など無いか目視にて再確認します。
12.袋入・製品検査
12・袋入・製品検査
製品の容量に合わせ、結束や袋入れを行います。最終的に遺物混入防止のため金属探知や印字不良などを検査し出荷準備されます。
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